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私が四歳くらいだだったろうか
父はマイホームを買った
中古ではあったが子供ながらに大きな家だと感じたのを覚えている
その頃にはもう父は働いていたレストランを辞め安定と融通性を求め公務員になっていた
元々料理が好きな父は一流シェフを夢見レストランでコックをしていたが家族を食わせつつマイホームを求めるにはきつかったらしく夢よりも家族を選ぶ事にしたらしぃ
まぁ父にしてみれば夢なんて家族の2の次にしかないらしぃのだが
幼心に父の腕タトゥーが入っていたのを微かながらに記憶している
しかし今はどこにもない
かわりにあるのは火傷の跡・・・
父は公務員になるにあたりタトゥーを焼き消したのであろぅ
家族の為には本当になんでもやるのである
そんな思いを込めたマイホームも、人がいい父が叔父の保証人になったばかりに・・・
そこで驚くのは、ここではあえて夫婦である
この夫婦・・・
払わず逃げた叔父にたいし責めるどころか「しょうがなかったんだね、きっと」と同情してみせた
・・・ここまで人がいいと開いた口がなんとやらである
初のマイホームは驚きと歓喜と諦めいろんな思いを刻み込んで始まりから2、3年で幕を閉じた・・・
でも私は知っています。
あなたが夜リビングで飲めない酒を飲みながら肩を振るわせていたのを
ただの一つも愚痴らず笑い飛ばした父の強さに脱帽の思いです
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