一章 召喚

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その時、薄暗い部屋の隅っこから変な音がした。 ぺたっ ぺたっ 足音? ・・・地獄にも幽霊出るの!? ぺたっ ぺたっ 焦る僕 「うわ~っ!僕、何も悪いことしてないから!!許して下さい~」 見えない幽霊に向かって土下座する僕 なんとも情けない・・・ 「あはっ・・・君、面白いねぇ」 幽霊が笑いだす 「・・・」 どうやら幽霊ではないようだ。 「えぇっと・・・悪魔さん・・・じゃなかった。堕天使さんですか?」 代名詞に“さん”をつけるか。普通。これじゃあ、『日本人さんですか』って言っているようなものだよ 案の定、堕天使さんは笑いだした。 「うふふ・・・えへへ・・・君、本当に面白いねぇ・・・あはは」 「・・・」 いきなり3種類の笑い方で笑われた・・・。 というか、“うふふ”と“えへへ”と“あはは”って・・・ どういうキャラですか!?普通、いっぺんに使わないよ。 堕天使さんが、僕の近くまでやって来た。 「あはっ。君でしょ?しおん君って」 そう言って、僕の方に近づいてきた人(堕天使も人でいいよね?)が、失礼なことに僕に向かって指差した。 僕は少しムッとしながら 「そうですけど」 と答えた。 「まぁ、仲良くいこうよ。アタシはサマエルって言うんだ。よろしく、しおん君。ふふふ」 手を前に出すサマエルさん。 「・・・よろしくお願いします・・・」 僕も手を前に出して、握手。 「へへへ・・・君とはいいお友達になれそうだよ」
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