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サマエルさんも、やはり美形だ。
灰色の髪は腰まである。いったん髪を3つに分けてあって、中程の長さの所で一つにまとめて縛ってある。
・・・とりあえず、表現しにくい髪形なのは確かだ。
彼の両頬にも、黒い模様が描いてある。歳は僕より上だ(そこ断言)。
しかし、碧眼の瞳のすぐ下の頬が紅く染まっている。
しかも・・・
「・・・お酒の匂いがしますね・・・」
酒臭い
サマエルさん、まだ笑っている。
「鼻いいね~。ふへへ・・・」
そう言って、カバンみたいな物の中から、赤紫色の液体が入った瓶を取り出した。
「葡萄酒だよ?飲む?」
「いえ、遠慮します」
「うそぉ!?イブリース踏んじゃったの!?あはははは!やっぱりしおん君って、いいキャラだよ!ははは」
「・・・」
笑いすぎだよ。
「あ~あ。しおん君、もう命の保証ができなくなっちゃった♪えへへ」
「・・・え」
真っ青になる僕。
サマエルさんは、葡萄酒を飲みながら、話を続けた。
「だって、イブリース、ニンゲン大嫌いだし。天界を追放されちゃうのをわかっていながらも、ニンゲンにひざまづくのを拒否したくらいだよ?
へへへ・・・しおん君、自分で自分の首絞めちゃったねぇ」
ニタニタ笑いながら話すサマエルさん。
とてつもなく恐ろしい事をしてしまったのだろうが、僕はそもそも、堕天使がなぜ追放されたのか知らない・・・。
「あの・・・サマエルさん。」
「ん?何?しおん君」
よくある“サマエルでいいよ”は無かった。上下関係が厳しい世界のようだ。
「何で、堕天使は天界から追放されたんですか?」
「え?知らないで聞いてたの?ふふふ・・・やっぱりしおん君は面白いよ」
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