一章 召喚

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  運が悪いことに、踏んづけたのは人の手だった・・・ 「うわぁ!すいませんでしたぁ!!」 踏まれた人は、痛そうに右手を押さえて震えている。 まずい 人の足はよく踏むけど、人の手は踏むものではない。 しかも痛そう 「あの・・・大丈夫ですか?」 そう僕が聞いた三秒後、踏んづけてしまった相手が、こちらに顔を向けた。 顔は、きっとこういうのが美形と言うのだろうと思える位美形だ。 歳は僕よりやや上くらい。髪は基本的にはショートカットだが、もみあげがやたら長い。そのもみあげの丁度真ん中の位置に、大きな丸くて赤い髪どめ(かな?)をしている。美形顔の両頬には、黒い三角形が描いてある。 そして、美形の金色の瞳は 涙が流れている。相当痛かったようだ。 しかも睨んでいる。 すいませんでした 「・・・大丈夫じゃないですよね」  
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