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「ふ~ん。しおんは角を見たことないんだ」
広い廊下を歩きながら、アスは真顔で話しをする。
「いや、角ぐらい見たことありマス」
山羊のとかカブトムシのとか鹿のとか牛のとか
「・・・というか、今日は皆さんで何の仮装ですか?」
だって、なんかファンタジーな服着てるし、男の人でやたら髪長い人いるし、とどめは角だし。
「?普段着だけど」
マントひらひらと角が普段着ですか!?
「・・・そ、その前に、“魔界”って何?」
社長が言ってた“魔界”とは
「あぁ、しおんはここ初めてだからね」
アスは急に笑顔になる。
「ここはね、僕ら“堕天使”の国って言うのかな?あんまり上手く言い表せないや」
“堕天使”?
「堕天使は、・・・まぁ、簡単に言えば、神に追放された天使のことかな?」
・・・
頭の悪い自分がうらめしい。
しかし、突然何か良い案でも思い付いたのか、アスが急に話しをし出した。
「あ!堕天使って、しおんの世界で言う“悪魔”のことだよ!」
・・・悪魔?
じゃあ、魔界って
つまり
地獄なんだ・・・
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