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長い道のりを掛けて、戻ってきた地元。
なに一つ変わってなかった。
俺ゎ駆け足で病院に向かう。
受付の人に聞いて病室へと走る。
扉を開けると…ベッドに横になる千夏。
隣にゎ千夏のお母さんがいた。
「翔ちゃん!?どうしたのこんな所まで!?」
「おばちゃん…千夏ゎ…」
「相変わらずよ…翔ちゃん、そばに居てあげて?」
おばちゃんゎ席を立ち、病室を去った。
俺ゎ椅子に座り、千夏の手を握った。
やっと…やっと千夏の手を握ることが出来た…
千夏…死ぬな…千夏………
俺の視界ゎ真っ暗になり、辺りを見回すと、誰か立っていた。近づくと、千夏が上を見上げたまま固まっていた。
「千夏…?」
千夏ゎピクッと反応したが、上を見たままだった。
俺ゎ千夏の後ろに立ち、そっと抱きしめた。
「千夏…帰ろう……?」
「私、帰っていいのかな?」
「当たり前だろ?みんな待ってる。もちろん、俺もな」
「翔………」
「こんな真っ暗な夢の世界なんかぶっ壊して、俺と明るい世界で一緒に生きよう?」
「翔ッ…!」
千夏ゎようやくこっちを向き、ぎゅっと抱きつきながら泣き出した。
その瞬間、暗闇の世界ゎガラスが割れたように飛び散り、足元がなくなり、俺達ゎ明るい世界へ投げ出され、意識がなくなった…
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