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「風馬を助けてください。お願いします。お願いします」
医師に一生懸命に頼んでいた。
「付き添いの方はここでお待ちください」
ひとりの看護士に言われ、和羽はそこで立ち止まり、閉じていく手術室のドアをただ眺めていた。
『手術中』のランプが点灯した。
和羽は椅子に座り、目をつぶり手を合わせている。
何分ぐらいたったんだろうそう思い、目を開き携帯を開ける。
しかし、手術が始まってまだ10分しかたっていない。
落ちつかない和羽は手術室の前をうろうろしたり、いすに座ってみたり、それを繰り返していた。
手術が始まって30分やっと風馬の母親が到着した。
和羽はさっきまでの行為をやめ2人は椅子に座った。
なにも言わずにただ座るだけだった。
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