運命の始まりの日(9月1日)

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この日は僕が少し遅くなったのもあって、駅に着いたのはギリギリだった。 僕らは電車に乗り遅れないように階段を急いで下りていた。 定期を改札機に滑り込ませて、また階段を下る。 電車の到着を告げる機械音が鳴り、ホームに電車が入ってきた。 『プシュー』という音が鳴りドアが開いた。 中から通勤や通学などで電車を使っている連中がいっきにでてきた。 僕らはその連中をさらっとやり過ごし、少し空いた電車の中に体をねじ込む。 そのときだった。 僕は胸の奥がチクりと痛んだ。 今までにも、この痛みは度々あった。 なのであまり気にせずに吊革を持った。 電車のドアは閉まり、動きだした。
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