Bloody letter

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「くだらない・・・」 所詮誰かの嫌がらせ、そう思った比呂はそう呟き、その手紙を捨ててしまった。 気味の悪い手紙は、毎日、比呂の家のポストに投函されていた。比呂は、くだらない、開けてもまた、前回のようなことがかいてあるだけだ、そう思って、ずっと封を開けずに放っておいたのだが、何日も続くと、さすがに気味が悪くなり、友人の涼子に相談することにした。 涼子は、比呂の女友達の一人である。真っ黒なロングヘアに分厚い眼鏡。一見取っ付きにくい雰囲気の彼女であったが、比呂にとっては、困ったときによきアドバイスを与えてくれる、よき理解者であった。 近くの喫茶店で落ち合った涼子と比呂。 比呂の鞄の中には例の封筒。 涼子が比呂に持ってくるように言ったのである。 喫茶店で未開封のその封筒の中を開けてみる。 手紙の中身はほぼ同じ。 剃刀と、一枚の便箋。 便箋の内容だけが毎回変わっていた。 『比呂・・・私を見て? 私を、愛して。』 『比呂の愛が欲しいの。』 『比呂、会いたいよ。』 『比呂の全てを 私に下さい。』 それらの手紙を一通り見た涼子は、比呂に尋ねた。
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