子供

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 子供が寝付くと、大人は一人静かに家を出て行きました。  …どうやら散歩でも無い様で、大人は近くの民家へと入って行きました。    そこには大人数の大人達が集まっていて、机には資料などの本や紙などが大量にあるのです。  もうお分かりかもしれませんが、この集団は猫子を街から追い出す事を考えている者達の集まりで、今日はその集会の日だったのです。    大人は入ると直ぐにアイデア等を話し始めました。    それぞれの意見を出し合い、何分何時間と話し合っていきます。  「今日、親のいないあの子供が猫子と森で遊んだらしい…。  そして何故かは知らないが子供が小屋に入ると小屋が火事になり、子供は危うく死ぬところだったと話したんだ。」  子供から話を聞いた大人は言いました。    内容的には確かに間違ってはいません…。が、この話を此処にいる大人達が普通に受け流すでしょうか?    そうでは無いのです…。    【子供は猫子と森で遊んだ】そして【子供が小屋に入ると小屋には火が点けられ、子供は死にかけた】。  この2つを繋げると、何も知らない他の大人達は勝手に猫子の仕業だと思い込んだのです。    これも大人の作戦通り。    大人は更に続けました。  「この話から、この街の子供が猫子に狙われている可能性が出て来た。  子供の安全の為にも一時子供を別の街に移していた方が良いと思うんだ。そして大人だけでその間に猫子を殺ろうと考えている!  …この意見に何か反論は?」    子供の命が掛かっているとなると反論する者は勿論いません。  全員一致でその意見は明日より決行される事となりました。    これでもうこの会議は終了です。  大人達は各々の家へと帰って行きました。    月は満月…。綺麗に光、その存在を堂々と映し出しています。風は冷たく、静かで心洗われる様な夜でした。  これを【嵐の前の静けさ】というのでしょう…。    大人はそんな事を思い、自分の家へと入って行きました。
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