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そうなってしまうと街は段々とさびれていきました。
街の人々はより一層猫子を嫌いました。「どうして私達の街に現れるのか」と、猫子を恨みました。
しかし猫子はそんな事など気づくはずがありません。
毎日毎日街へやってくるのです。
そうしている内にある者は考えつきました。
子供達と遊びたがっているなら、子供と遊ばせれば良いと。
しかしその考えは決して純粋なものではありませんでした…。
次の日になると、ある者はある子供の家を訪れ、子供に言いました。
「あの子と2人で隠れんぼをして遊んでやりなさい。そうすればこんなに沢山のお菓子を君に上げるよ?唯一緒に遊ぶだけだ。」
大人は子供をお菓子で釣ったのです。
勿論沢山のお菓子を見た子供は大喜びで「それくらい良いよ。」と答えました。
嬉しそうにする子供。
実はこの子供には親がいませんでした…。
だから普段、こんなに沢山のお菓子を貰う事はおろか、親がいない事をバカにされ、他人と遊ぶ事もなかったのです。
子供は幸せを感じながら猫子を待ちました。そして今日も猫子はやって来たのです。
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