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ジャンケンに負けたのは猫子でした。
子供は隠れんぼの遊び方を説明し、猫子が理解したところで、隠れに向かいました。
森は隠れる場所が沢山。
子供はなるべく見つからない様にとどんどん森の奥へと入って行きました。
「…8.9.10!よぉし、探すぞ!」
猫子は数え終えると勢い良く飛び出して行きました。
その瞬発力の良さで木々を避け、太枝に登って辺りを見渡す猫子。
すると子供の姿は直ぐに見つかりました。
子供は近くの小屋の中に居ました。
しかし、それはとても危険な状態だったのです。
小屋には火が点いていたのでした。
その小屋は猫子が住み着いていた小屋です。
だとしたら何故燃えているのかなど、容易に想像がつくでしょう…。
その原因は子供に森で猫子と一緒に遊ぶように言いつけた大人です。
大人はこう考えたのです。
森は猫子の住処です。
だから子供よりも断然、森にも詳しく、この森で一番隠れられる場所が小屋である事を知っているのです。
だから自分が隠れる時や、探しに行く時、この小屋に来るだろう…と。
そして小屋に入った瞬間、大人は小屋ごと焼いてしまおうとしたのでした。
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