Love...no,Love

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好きだよ。 好き。 君が大好き。 居なくならないで。 泣かないで……。 傍にいる事しか出来ないけれど……君を1番に思っているから。 君の1番じゃなくても、君は僕の1番だから。 涙を舌で、すくう。 君は何処かを眺めて動かない。 ねぇ…… 何を見てるの? ……僕を見て? ねぇ、こっち見てよ……。 「さとし……」 君は、いつも口にする名を呟く。 いつもの優しい声ではなく、僕まで悲しく……痛くなる程の声で。 「ココ……」 僕が堪らなくなり、鳴き出すと君はやっと僕を見てくれた。 ……深い哀しみを帯びる瞳で。 「あたし、フラれちゃった。……解っていた事なのになぁ。友達でいられるだけ、幸せだったのに」 震える声。 僕に降る涙。 僕の頭を撫でる大きな手。 「友達以上を望んだから……我が儘な事をしたから、罰が当たったんだ」 そんな事ない、と伝えたい。 僕が【言葉】を持っていたのなら…… 君と同じ様に涙を流せたら 君と同じ様に頭を撫でてあげられたなら…… 君は僕を、彼の事の様に愛してくれた……? ねぇ…… 僕は君を愛してる。 哀しみで震える、君を見るのが辛い。 でもね、 でも…… 君が僕の所に戻って来た事。 君が僕の頭を撫でてくれる事。 ……まだ、君を独り占め出来る事。 それが嬉しいんだ。 「ココ、チョコレートケーキ食べる?何か捨てるの勿体ないよね」 涙で濡れた手で、受け取って貰えなかったケーキを僕の前へ差し出す。 「あ……猫にチョコって駄目だっけ。可愛いココがハゲちゃ可哀相だもんね」 伝わらない想いに鳴く。 君の好き。 僕の好き。 君には伝わらない…… 君の幸せを望める様になるまで もう少し 独り占めさせて……
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