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傷ついても、側にいられなくても譲れない大事な物があったのだと…そう言って君は笑った。
【Why don't you take the world as it is?】
結局の所君が最後まで大事にしたものって、なんだったんだい?
君が死んだその場所に問いかけても、いつも通り返事はない。
当たり前だ。人間は死んだら終わり、そういう風に出来ている。
「ねえ、今日も教えてくれないのかい?」
僕の手を離してまで、君が守った大事な物はなんだったの?
君は僕がそう聞く前に僕の前から消えてしまって…だから僕はわからないんだ。わからないから、僕の砂時計は詰まってしまった。
僕はあの時から1ミリだって変化してはいないよ。
「誰に聞いてもわからないんだ。誰も、君じゃないからわかるはずがないんだ。推測なら誰にだって出来る。けど違うんだ、僕が欲しいのは……」
君の口から出た。
君が出した言葉。
誰かが考えた憶測に惑わされるなって、教えてくれたのは君だろう?
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