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私はずっと唯子ちゃんのその強さに惹かれて、憧れていた。
けれど、今は違う。
将来の目標を見つけ、大学へ進学してからは、もう誰かに憧れることをやめた。
結局、人は他人にはなれない。
私は唯子ちゃんにはなれない。
恭一兄さんにも。
そのことがようやく分かった。
自分と向き合っていられるように、前を向いていられるように、いつも顔を上げて歩いた。
唯子ちゃんと対等に付き合って行くことの方が、ずっと自分には大切で必要なことだと分かったから。
恭一兄さんの後ろを追いかけることよりも、その道を自分自身で選んで決めることの方が、ずっと自分にとって価値のあることだと分かったから。
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