二十四章:月平蘭子(21歳)の場合

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私は、唯子ちゃんと待ち合わせた校内のカフェテラスで、専門書を広げてレポートの仕上げに取り掛かった。 今週中にレポートを四つ提出しなければならなかった。 「ごめん、待たせちゃった」 「ううん。レポートやってたから平気」 唯子ちゃんは、ひらひらした春らしい淡い色のワンピースを着ていた。 唯子ちゃんはこの三年で見違えるほど綺麗になった。 もちろん昔から唯子ちゃんは可愛かったけど。
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