白い球

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……… …じめじめした梅雨も明けて、朝っぱらから虫達の声が花や緑の合間を縫ってジルの部屋まで届けられる。ジルは、その声とジリジリと今にも焦げそうな太陽に目を覚ました。 そして、昨年よく着たアニメのTシャツに着替える。 ジル…『ちょっとキツイけど、まっいいか…』 ママ…『おはよう!ジル、最近はひとりで起きれるのね、ママ助かるわ』 ジル…『暑くて、目が覚めるんだ…』 と、腫れぼったい顔で答える。 ママは新しいTシャツを用意してくれた。 ダラダラとテーブルにつき、ミルクとサンドイッチを交互に口へ運ぶジル… 少しずつ頭が回転しはじめていた頃、チャーリーの声が聞こえてきた。 チャーリー…『ジル!お迎えにきたぜ!』 ジルは、急いで鞄を背負い、新しいTシャツにも着替えずに、家をとびだした。
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