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彼女は一体いつもここで何をしているのだろう
「おーい…!」
呼び掛けたが少女は気付かない
「またか……」
こんなくだらない花畑になぜ興味を持つんだろう
俺は少女に少しずつ近づいていく
「ねえ」
この一言で少女はこちらに気付く
相変わらずの冷たい視線だ
別に何もする気はないのに
『またあなた…』
それに続けるように
『帰って』
あまりにもストレートだったので
「は?」
と思わず声を出してしまった
「だから俺はここの責任者の息子なんだって!」
少し紛らわす様に慌てて喋る
『花が好きじゃないのに?』
少女は俺を睨む
てかなんで
花が好きじゃないってわかるんだ
「なんでそんなことわかるんだ?」
俺は思わず思ったことをそのまま口に出した
『あなたの顔をみればそれぐらいわかる』
お見事。
それは素直に認めよう
俺は花などにまったく興味がない
くだらない
咲くなら勝手に咲いてろって感じだ
そう考えていると
少女の目がギラつく
人の心読めるのかこいつは……
俺はにっこり微笑んで
「花は大好きさ」
みえみえの嘘をついた
『嘘つき。』
またまたお見事
そのとおり。
そんなこんなで
俺と少女はいつの間にか
長い時間かけて会話をしていたみたいだ
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