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良い物を作るといえば
卒業式の話もこの時期、当然出てくる。
良い卒業式をするために、準備をしっかりとやっていくのも生徒会の仕事のうちだ。
「何年か前の卒業式で、祝いに花火をやって、騒ぎになった事があるんだってさ」
生徒会室で
卒業式の話をしていた時、名取が何か思い出したかのか話し始めた。
「花火ですか?爆竹みたいに派手なものじゃなければ、騒ぐような事じゃないですよね」
勇二が、そんな事で…と文句を言っている。
でも、線香花火みたいな大人しいものだと、祝いには寂しいよね…見た目は面白いけど。
「基本は火気厳禁だぞ。卒業式終了後、夏の残りなのか…花火を持ち込んだんだ。数人で始めたが先生に見つかり、そいつら何を思ったか、校舎内に逃げ込んだんだ…花火を持って」
「は?」
花火なんて置いていけばいいのに…最後の最後まで怒られるような事する人がいるんだなぁ。
さらに
名取は呆れた顔をして続ける。
「その花火を、校舎内で火を点けて走り廻ったんだ。煙りが充満して非常ベルが鳴り響き消防車まで来たそうだよ…何考えてるんだろうなぁ」
…呆れて、言葉もないな。
後で聞いた話
花火をやった人達のリーダーは誰もが知ってる人気者だったとか。
卒業式に何かやると噂が流れてたらしいけど、やり過ぎたみたいだ。
「個人的には、面白い人そうだから会ってみたいけどな」
勇二は
お腹を抱えて笑っていた。
私は迷惑だから嫌だな。楽しいってだけで周りの事考えてなさそう。苦労が見える…
「今頃、何をしてるんですかね…その人」
「大学卒業かな?春から社会人だよ」
そんな人でも、大学に合格することが出来たんだ。
成長していると良いね…その人そのまま社会人になったら、何するか分からないもの。
この時は
関係ないって思ってたんだけど
その結果を
春、自分の目で確認する事になるなんて思いもしなかった…
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