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「も~!あずさの意地悪~」
ぷぅ~と頬を膨らませる女子生徒。
それを見て笑うあずさ。
「ゴメンゴメン…でもさぁマジバナで雪菜と一真くんって良い感じだよね~♪」
茶化すような笑みで話す。
「え?なんで…?」
キョトンとした顔であずさを見つめている。
「だって普段の一真くんって女なんかに興味無いぜ…フッみたいなタイプじゃん?」
髪を書き上げる動作をしながら話す。
「ちょっとあず…それはイメージ先走り過ぎだって…」
苦笑いを浮かべる雪菜。
「にしても…絶対二人はお似合いだよ♪それに一真くんは雪菜に脈アリだって~」
雪菜の手を掴みテンション高く上下に振る。
「違う違う…一真とは付き合い長いから男友達と同じ感じなんだよ」
小さく左右に首を振り落ち着いた様子で話す。
(でも…もし本当に一真が私を好きなら…
確かに一真は子供の頃可愛かったし…
今はカッコカワイイ系だし悪くないよね♪
勉強もサボっていっつも私にノート書かせるけど…でも意外に良いトコあるし♪
前もいじめられっ子助けて…あの時はカッコ良かったなぁ…
……
アレ?もしかして私アイツの事…無い無い)あずさの言葉がトリップ中の雪菜を現実に引き戻す。
「雪菜!」
「はっ…はい!」
驚いて返事をする
「アンタ…手振ってたけど…大丈夫?」
どうやらトリップしている時無意識に身振りを付けてしまっていたようだ。
「あ~アンタまさか…本気にしちゃった?」心配そうに見つめる。
「え~!してないし…それより茶化したの!?」
ハッとした表情の後すぐに頬を膨らます。
「お似合いってのは本当だよ~ん♪」
あずさは雪菜のおでこに軽くデコピンをし微笑む。
窓際に座っている男子生徒が二人の楽しそうなやり取りを見ていた。
彼の瞳は一途に雪菜だけを見つめていた…。
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