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「いや、だから『読書って疲れるね』って」
「…」
馬鹿か?コイツ…。疲れてんだったら早く休憩したらよかったじゃんか。
「てか、とっくに休み時間だよ?」
へ?と私の顔を見る。その後みんなが散り散りになってギャーギャー騒いでる教室を見渡し、その視線を私の顔に戻す。「ホントだ…」
彼は頼りなくははは…と笑う。
ぷッ。
私は思わず吹き出す。まっすぐに向き合ったらその、大きな前歯が視線に飛び込んできたから。
「(すンごい出っ歯…!)」
なんとかこらえて適当に話を繋ごうとする。
「ねぇ、兄弟とかいる?」
ベタ。
彼は不意打ちを喰らってポカン。
しばらくしてからやっと口を開く。
「ああ、オレ、兄さんと姉さんいる」
末っ子なのか。
「美華は?」
…な、
「え、あたしは」
…なま、
「妹が1人…」
…なまえ!!
名前、
私の名前呼んだ!
なんかマトモに話すの初めてなのに…こっちが不意打ち喰らっちまった!
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