394人が本棚に入れています
本棚に追加
天馬 …(気まずいな…)
峰高 ほら、終わったよ
天馬 あんがとさん。
峰高 あんた、本当にその怪我どうしたの?
天馬 あ、あれだよほら、木から落ちた
峰高 ふ~ん…
天馬 な、なんだよ
峰高 馬鹿みたい
天馬 (ガーン)
峰高 木登りなんてしてる暇があったら勉強しなさいよね
天馬 うるせぇなぁ、お前は俺の母親か?
峰高 おばさんもあんたには苦労してるわよ…
天馬 ふんだ
立ち上がり歩き出す
峰高 あ、あんたさ…
天馬 ああん?
峰高 い、今付き合ってる人とかい、いるの?
天馬 はぁ?居ねぇよ、なにいってんだ?
峰高 い、いないならいいのよ!(そそくさと保健室を後にする)
天馬 …
周りの風景が暗くなり天馬のみに光が当たる
天馬 あいつは…俺の事が好きだったみたいだ、あの時の俺はどうしようもなく鈍感で、本当は両想いだったのに最後になってようやく気付いた、それもアイツの最後の言葉で。そう、アイツは死んだ、この日の放課後…車に跳ねられた、俺が一番最初に道路に横たわったアイツを見つけた、最後の言葉を言おうとするアイツの口を俺は必死に見つめた、俺には確かに聞こえたんだ、それで気が付いた、それからは誰かを好きにならずに卒業を迎えた…
風景がもどる
最初のコメントを投稿しよう!