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此の地に生まれ堕ちた児は
天に輝く日を恐れ
陰を好み影とし生きる
美しき瞳の少女に出逢い
見つめ合う二人を陰が覆う
少女は月の照る街へ
私の手をとりゆっくりと
微かに冷たくほのかに暖かかい
幼き少女の手は
私の心に灯りを灯した
誰も居ない教会で
月の灯りに誘われて
踊り明かした
輝く少女の瞳に映る
悲しみを宿した私の瞳
ただ優しく包んでくれる
少女の瞳がいとおしく
泪が流れた
闇の終りが近づく
二人だけの公演会が終りを迎える
闇を好む少年と
光を持つ少女の別れの時
教会には
泪の痕が一つだけ
日の光を浴びて
輝きを帯びて
光を嫌った少年が流した泪
輝きを忘れた瞳から流れた泪
闇は光を
ただ隠す者
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