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「もしもーし、渉??」
「どうした??」
「寂しいから舞の家に来て??」
「だと思った。まぁ今から行く」
「ありがと。待ってるね」
二人の間ではいつものこと。
寂しくなったら舞が渉を呼ぶの。
そしていつも来てくれる。
この半年で、来てくれなかったことは一度もなかった。
そう一度も…
ガチャガチャ
ドアの方から鍵を開ける音がして、私はドアの方へと向かった。
「よー、寂しがり屋のお姫さま」
「何よーその言い方は」
「まぁそんなに怒るなって」
「家に入れないよ??」
「帰りますよ??」
「ダメ!!」
数日前に本当に入れなかったことがある。
けどやっぱり寂しくなって、1時間後ぐらいに電話で謝ろうとしたら「まだドアの前に居るんだけど」と言われた。
ドアを開ければ本当に居て、笑顔で「入れてくれますか??」と言った。
冬の寒さの中、1時間も待たされたのに、渉は怒りもしなかった。
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