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鉛色の膜に覆われた
憐れな青かった空から
重さに耐え兼ねたかの様に
ぽつり ぽつり と
大粒の滴が落ちる…
ほの暗くくすんだ景色に
今最も似合うのは
僕の情けない横顔
独り 立ち尽くし
次第に数を増す雨粒を
僕の体に染み込ませよう
でも 俯かない…
僕には俯く程の努力はなかった
僕には俯く資格がない…
ただ…僕だって傷付く事は時々あるんだ…
だから
この雨は情けない僕への
神様からのささやかな贈物…
今だけは鉛色に染まって
重い滴に包まれて
少しだけ
時をやり過ごす…
次第に数を増す雨粒を
僕の体に染み込ませよう…
でも
僕は
俯かない…
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