8010人が本棚に入れています
本棚に追加
/267ページ
冬になるとどーしてこーカップルが目に付くんだろうな…
ボーっとそんなことを考えていると、目の前には神崎さんが突っ立っていた。
「…あっ」
朝よりも表情は怖くなかった。
「寒くないか?」
雪夜はマフラーも手袋もしていなくて、実のところかなり寒かった。
「ちょっと…」
白い息が出る。
すると神崎は自分のマフラーを雪夜の首に巻き付ける。
「えっ…」
「風邪でもひかれたら困る」
マフラーからは神崎さんの匂いがした。
「…ありがとうございます」
小さな優しさが嬉しかった。
最初のコメントを投稿しよう!