2話

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冬になるとどーしてこーカップルが目に付くんだろうな… ボーっとそんなことを考えていると、目の前には神崎さんが突っ立っていた。 「…あっ」 朝よりも表情は怖くなかった。 「寒くないか?」 雪夜はマフラーも手袋もしていなくて、実のところかなり寒かった。 「ちょっと…」 白い息が出る。 すると神崎は自分のマフラーを雪夜の首に巻き付ける。 「えっ…」 「風邪でもひかれたら困る」 マフラーからは神崎さんの匂いがした。 「…ありがとうございます」 小さな優しさが嬉しかった。
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