1話

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昨夜バイトが終わったのが9時頃で俺はそのまま家に帰った。 家には本当の母さんと義理の父、義理の兄がいて義父とは顔を合わせる度に喧嘩をしていた。 昨日もそうで、厭になって荷物をまとめ家を出たが行く宛もなく、ぶらぶらしていた。 そしたらバイト先の先輩が居て飲み会に付き合わされて、ベロベロに酔ったんだ… それで、帰りにおっさんにぶつかって…?ん? 俺泣いてたんだっけ? 『っく行くとこ…なぃっ…っふぅえ…』 今考えるとあまりの恥ずかしさに顔から火が出そうだ。 「あ…っと…すいません」 「思い出したか、早く支度しろ」 神崎さんは今にも部屋を出ていきそうだ。 俺は急いで着替えをした。 ベッドの横には鞄があったのでそれを掴むと、玄関で待つ神崎さんの後を追った。
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