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それは、中学に上がる頃だったか。
親が常時居ない状況の俺たちは、二人で毎日を過ごして居た。
妹は、あれで料理が得意で、俺は何をやっても不器用と、妹にいつも言われ、
お言葉に甘え、特に家事は手伝わなかった。
甲斐甲斐しく働くその小さな背中を見て、ただグータラしていただけ。
テレビを見てるとき、食事中や登校中、下校中。
いつも俺たちはいっしょで、他愛もない話に毎日夢中になった。
しかし、それに終止符を打ったのは、他でもない…
この俺だ。
ふとした瞬間。
思春期の俺たちが、“そういうこと”に興味をもつのは、大して不思議では無いのだが…
最初は只の遊びだった…
しかし、それが遊びを超えている事、禁忌を犯している事だと気付いた時には遅かった。
俺は実妹に“童貞”を捧げ…
妹は実兄に“処女”を捧げていた。
親が全く帰ってこず、少しずつ仕送りが増え、只、互いに肉体を求め合う毎日に変わっていった。
止める者は誰もいない。
それをいい事に俺たちは、さらに関係を深くする事を望んだ。
…叶わないと分かっていた。
でも、そのときの二人は異常だった。
“結婚をしなくても、子供は出来る”
…今から思えば、馬鹿、否、屑野郎だと唾を吐くだろう。
しかし、そんな事を本気で言い合い、受け合う状況を、当時は普通と感じ、過ごしていた。
現実は、子供なんか出来なかった。
妹は、体が小さいからか、俺のせいなのか、“保険体育”で避妊について知るまで、コンドームはつけなかったが、初潮が来るのが遅かったので、当然、嫌な話“受精”しなかったのだ。
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