プロローグ ~不思議な資料室~

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 私は今、かの有名なクルトン先生の屋敷の前にいる。クルトン先生とは、このアステア大陸初の超常現象の研究家であった。彼は自らの足でアステア大陸各地を渡り歩き、それはそれは摩訶不思議な体験をいくつもしたそうだ。彼はアステア歴254年、アステア大陸の東端、ヴィネーア地方の田舎村、パナティで生を受け、18歳から民俗学に興味を抱く。その後、各地に伝わる伝承、言い伝えなどを熱心に研究するようになり、地元の資料だけでは飽き足らず世界を渡り歩くようになったという。彼が旅に出たのは21歳の頃だそうだ。その後、生まれ故郷、パナティを拠点に各地を渡り歩き、彼の経験した摩訶不思議な体験談は家族や友人をそれはそれは驚かせたという。  かくいう私も民俗学研究者であり、好奇心旺盛な冒険家でもある。ある時、ヴィネーア地方の南に位置するラグア地方にてこの館の存在を耳にした。
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