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「そういえば・・・貴女は兄様のどんな夢を見るんですか?」
「んぁ?」
灼西宅居間では八雲と哉実だけで
「私の好敵手であり恋人との殺し合いの時だな・・・聞きたいか?」
「少し引きますが聞かせてください」
「まぁ最後は悪くないと思うがね♪」
逆上る事かなり昔
「その頃は私の様な龍は腐るほどいてな、力を試しては殺し合ってたんだ。私はその中で生まれ、とある抗争に巻き込まれてな、気が付けば周りは焼け野原に死骸が散乱していた・・・この時だな私が狂ったのは」
「貴女は泣きましたか?」
「血涙は流してたな、まぁそれは置いといてそれから暫くして、亜種の龍が生まれたと聞いてな」
「それが・・・貴女の?」
「最初は気味が悪くてな、近くにはいなかったんだが・・・彼が二十歳頃かな?私の敵になる事件が起きてな・・・」
「君は確か・・・亜種だな?」
「だからなんだ?死に逝く者に興味は無い」かれは翼を広げ
彼女も広げ
「いくぞ!!」
「青二才が」
同時に飛んだ
戦いは三日三晩を越え互いに死にかけていた
「はぁ・・・はぁ・・・」
「ガシュッ・・・」
疲労困憊、満身創痍、互いに一撃しか撃てぬ時
「封縛式闇神灼西陣!!」
「グァァ!!(ガハッ)」
八雲と相手の龍亜種は結界に封じられた。
「此処までか・・・童子名を名乗れ・・・土産にはなるだろう」
「ざけんな・・・勝負は来世まで預けだ・・・」
「八雲」
「はぁ?」
「私の名じゃ・・・最早時が無い・・・」
「そうだな・・・俺の名は・・・」
「名は?」
「忘れた、聞きそびれたわ」
「んなっ・・・最後の最後でなんてヘマやらかしますか!!」
「仕方無いじゃろ、私も記憶も旧いからな」
「まぁ・・・少しは楽しかったですよ」
「何よりだ」
二人の笑いは家中に響いたとか
(ほんとは私だけの秘密にしたいのじゃ・・・この位のわがままは赦してくりゃれ、雷雅?)
八雲は空を見上げて穏やかに笑った
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