邂逅と初めまして

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「おおおあああ!!!」 人体急所を的確に狙った数々の打撃は……… 「こんなものか?」 軽やかなステップに避けられ 「ふっ!!」 翼の一薙で弾かれる。 「がっ!!?」 数mは飛ばされた、体はボロボロ満身創痍、だが雷雅は止まらない。 「つまらんな………私の当てが外れた様じゃな………」 「あ?何……ほざいてっ!?」 零まで詰め寄った八雲に胸ぐらを捕まれ持ち上げられた。 「戦えば甦ると期待した私がマヌケだった…………刺激が足りないのか?」 「かはっ!?」 「では………あの妹をバラしてやろうか?」 八雲は掴んだまま雷雅の妹のいる部屋を軽く見て 「久方振りじゃからな………一撃で終わるなぁ」 雷雅を投げ捨てゆっくりと歩き出す 「や……めろ……」 雷雅は蚊の泣く声で言う、と八雲は止まり………刹那、消えた………そして家から 「あははははっ!!!」 何かを引き千切り潰す音が響いた……… 「あ………あぁ………」 「中々に簡単に終わってしまった………」 体には赤い液体を浴びたまま出て来る八雲、瞳は完全に龍のそれ。 「さて………?」 周りの大気の変化に気が付き雷雅を見ると、眼を見開いた 「まさか…………」 雷雅の周りを黒い霧の様な物が取り巻いている 「ォォォ……ガアアアア!!!」 叫んだ瞬間、真紅と郡情の光が発した、消えた時立っていたのは……… 「ふふふ……待たせたな…………龍姫?」 巨大な翼にフックを何倍も大きくした鉤爪を付け、右腕は完全に龍の腕、尻尾も生え、両足は重量感を与える程に大きい、顔は人だが頭には二対の角と顔半分を隠す真紅の仮面。 「目覚めたか……私の恋人……」 八雲は恍惚と戦意のまなざしを向けて。 「くくく……」 雷雅(龍)は低く笑う。
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