邂逅と初めまして

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「うぅ……」 哉実は少し血を流したまま目を覚ます 「あのキチガイ妄想ババア……よくもやりやがって……?」 兄の前では使わない様な口の悪さで、すると外の異様な光景に息を飲んだ 「あれが……兄様の……?」 八雲は喜びと恐怖を感じていた。姿は違えど初めて愛を感じた龍の異端児、狂い続けた龍姫にとっての光明。 しかし、今の彼は雷雅の怒りを使い現われただけ。 「ここからが正念場ね……」 「ふむ……」 雷雅(龍)は八雲を見て人の怒りが沸いて来る事など気にせず八雲を見ていた。 「(また……昔みたくは……少し無理そうだな。)」 周りを観察すると窓の割れた家を見て苦笑を漏らす。 「何を笑ってるの?」八雲が少しむくれて言うと 「芝居上手は相変わらずだな……八雲?」 「あら……昔より冴えてるじゃない?」 そこには緊迫した空気は流れない、何故なら二人には戦意が無いからである 「昔話に華を咲かせたいが……今回は我が完全に覚醒しないようだ」 「無理矢理引っ張ったのは私だ……仕方無いさ」 互いに笑うと 「……またな」 「夢の中で」 二人は互いに言うと 雷雅は人の姿に戻り、八雲は雷雅を受け止め 「哉実は生きてるからな」 と耳元で呟いた。 灼西宅居間 「兄さん!!?」 哉実は雷雅の元に行き手当てを始める 「打撲だけだろ?」 八雲は少し笑うと 「アンタ……良くもまぁ私の兄様をこんなにしてくれやがりましたわね?」 「終わり良ければ全て良し♪」 「良くないはこのド腐れクソブタ!!!」 この日大音響のセリフは野騨原高校にまで届いたとか。 一章 終
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