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それから一月程たったある日事件が起きた。
「大変だぁ~~。」
男が城の門を叩いた。
門番「どうしたのだ?」
男「殿様に会わせてだせぇ。」
門番「ならぬ!」
男「たのんますよ。」
門番「ならぬと言うとろうが。」
男「くぅ~。
このわからず屋!!」
門番「なっなに!!
無礼者め!!
その首、跳ねてやるわ。」
門番が刀を抜き上に構えた。
男「ひぃぃ。」
「やめんか!!」
門番「勇次郎様…」
勇次郎が門での騒ぎに気が付き、駆け付けたのだった。
勇次郎「何事だ?」
門番「はい、この男が殿に会わせろとしつこくて。」
勇次郎「ほぅ。
理由は聞いたのか?」
門番「いえ…」
勇次郎は門番が言葉を発した瞬間、門番を殴り倒した。
勇次郎「馬鹿者が!!
理由を聞かずに刀を抜くとは!!」
門番「もっ申し訳ありません!!」
門番は、勇次郎と男に謝った。
勇次郎「うむ。
してー、そちの用事は?」
男「あんたが、勇次郎様ですなぁ。
大変な事になってるんですわ。」
勇次郎「大変な事?」
男「へぇ。
信長が…
織田信長が…今川の軍を…打ちました。」
勇次郎「なっ!!
今川氏の軍が押していたはず!!
何故なのだ!!」
男「それが…
わからないんです…
でも…信長は、きっと鬼を宿しています。
あやつが、一番恐ろしい男です…。
どうか…皆さん…逃げてくだせぇ。」
勇次郎「ならぬ!
逃げる事など、絶対にせぬ!」
男「でも!!」
勇次郎「それは、いつの事なのだ?」
男「…10日前です。」
勇次郎「10日!!」
男「…明日です。」
勇次郎「まさか!」
男「明日…来ます。」
勇次郎「なんと!
おい、この者を殿の所に案内しろ!」
門番「はっ!!」
勇次郎は、急いで訓練場所へ向かった。
勇次郎「皆の衆!
急いでいくさの準備じゃ!!」
兵士「どうしたのです!」
勇次郎「明日…信長が攻めて来る!」
兵士「なっ…。」
勇次郎「今川氏が破られた。」
兵士「なんと…」
兵士達はざわめき出した。
勇次郎「みな…
このいくさは、負ける…
死にたくなくば…
いくさの準備だけして逃げてくれ…」
勇次郎の言葉に兵士達が叫び出した。
「殿や姫様を裏切れるかぁ!」
「大将!
ついて行きます!!」
勇次郎「みな…
ありがとう…。」
兵士「よしっ!!
準備じゃ!!」
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