第一章「存在価値」

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優雅は、欲情しきる高橋を煽るように上目遣いをした。   「・・・。まぁね。僕はずっと前から君が好きだったからね。」   高橋は、髪を撫でていた手を頬に下ろし、ゆっくりと口づけをした。   うっとりと目を閉じたのは高橋だけ・・・。   ゆっくりと唇を離し、冷ややかな目で高橋を見る。   「・・・。あんたは俺の新しい「飼い主」になりたいんだ?」   優雅の「飼い主」になりたがる汚れた人間は沢山いた。 きっと、この男も自分の「飼い主」になりたい一人だろう。 優雅の「飼い主」になった人の中には、男女問わず政治家、警察官、芸能人、学校の先生までいた。   ―腐りきっている。―   しかし、優雅には「腐りきった飼い主」がいなければ自分の「存在価値」がないと知っていた・・・。
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