第三章「叫び声」

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あれから三週間の月日が経った。   寒さが和らぐ三月。   優雅は今日もトイレで吐いていた。   身体も元々細い方なのが更に細くなっていた。   「…早く俺を解放しろ…」   優雅は小さな声で呟いた。   そして優雅は乱れたシーツを握りしめ、爪で胸を引っ掻いた。   「・・・ッ・・・!」   胸を伝う赤い血。             生きてる証?                違う。             汚れてる証。               優雅はふらつく足取りで中庭へと歩きだした。
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