第三章「叫び声」

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中庭にある小さなベンチに優雅は腰をかけていた。   ベンチのすぐ側には小さな池。   優雅は汚れた「行為」の後、必ずその場所にいた。   池に反射する陽射しがとても綺麗に輝いている。   その場にいるだけで少しでも自分が「汚れている」ことを忘れていられるから・・・。   中庭には、小さな子供からお年寄りまで様々な人達が「人工的自然」に癒しを求めて集まっている。   優雅もいつの間にかその内の一人になっていた。   風が気持ちいい。   いつからこんな心の余裕が生まれたのかと、優雅は苦笑した。
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