第三章「叫び声」

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「ねぇ。横座るよ。」   突然声をかけられた。   しかし、優雅は声をかけてきた相手の方も見ず、返事もしない。   優雅は溜め息をついた。   唯一の「癒し」を邪魔されてしまったから。   「…無視??まぁ…いいんだけど。」   相手は女だった。   しかし、優雅は元々人に興味がない為、相手を完全無視をしていた。   「ねぇ…あんたってもしかして…車椅子乗ってた人???」   女は顔をのぞき込むように訪ねた。   「・・・・。」   「うわッ!!!あんたすんごい綺麗な顔してんねぇ~。」   「・・・・。」   「あたし葵ッ!!!あんたの名前何??」   「・・・・。」   「無視???もしかして耳聞こえない???お~い。」   「・・・うざい。」   優雅は勝手に一人で騒いでる女に嫌気が差し、ベンチから立ち上がった。   「おッ!聞こえてんじゃん。」   優雅は女を睨みつけた。   女はあの時暴れていた少女だった。
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