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「ッ!?本当に素直じゃないなぁ…。」
葵は溜め息をついてボソリと呟いた。
「…せっかく綺麗なのに…。」
優雅は葵の言葉に動きが止まった。
「………綺麗???」
葵は満面の笑みで笑いかけた。
「うんッ!すんごく綺麗って思う。男に綺麗って言葉はちょっとおかしいけどね。」
へへへ。と笑う葵。
「外見ならその言葉何回言われたかな?何人に言われたかな?」
葵は、傷ついたように笑った優雅に酷く胸を突かれた。
「…外見だけじゃない。「優雅」自体が綺麗なんだよ…。だって…優雅…目が凄く綺麗…。」
葵は何故か言葉が続かなかった。
優雅の顔が一瞬歪む。
(…駄目だ。勘違いしちゃ。)
優雅はシャツを強く握りしめた。
「…じゃない…。」
声が葵に届かない。
「…綺麗なんかじゃない!俺は汚れてるんだッ!」
感情を乱さない優雅が大声で叫んだ。
まるで、全てを絞り出すように。
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