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葵は探していた。
突然姿を消した愛しい人を。
そして、今日も居るはずのない病室に足を運んでいた。
誰もいない病室はとても静かで、真っ暗だった。
葵は、優雅がいつもいたベッドに近づいた。
「あの時」の残骸は綺麗に片づけられ、何もなかったように時間は流れていた。
もしかしたら「優雅」さえも存在してないかのように。
葵はゆっくりとベッドに腰掛けた。
うるさすぎる静寂。
葵は泣きそうになった。
優雅はきっと、今のあたしのように酷く泣きそうだっただろう。
気が狂いそうになる程の「孤独」を突きつけられる空間。
「隔離」された静寂。
葵は小さく愛しい人の名前を呼んだ。
しかし無惨にも愛しい人の名前は静寂に飲み込まれた。
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