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彼の、
「叫び声」が。
葵は病室を出た。
そして看護婦さんと共にある病室の扉を開けた。
そこには、沢山の機械に囲まれ眠る少年が。
「・・・・響。」
葵はガラス越しに眠る少年に呼びかけた。
「響。」
葵は、何年も目を醒まさない「弟」の為に、毎日毎日病院に訪れていた。
たった一人の「家族」。
でも、もう二度と響の笑顔を見る事は出来ない。
だから葵はどんなに辛くても、響の分まで笑ってきた。
響がただ息をしているだけでも、葵には心強かった。
だけどあの時―。
「優雅」を初めてみた時―。
医者が下した決断は
「安楽死」
葵はその「決断」に「絶望」し、感情のままに暴れた。
その時、すれ違った「車椅子の青年」の「瞳」があまりにも酷く胸に突き刺さって―。
葵は「響」を、
葵は「優雅」を、
「守る」
ことを決意した。
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