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優雅は病院に運ばれていた。
何日も無断欠勤していた高橋を不振に思い、看護婦さんが高橋の家を訪ねたという―。
何度も部屋に響く、インターホン。
鎖で繋がれ、おまけに衰弱していた優雅は、ベッドから動けず、意識すら保てられなかった。
幸い、「トリカゴ」の鍵は開いており、中を覗きにきた看護婦さんにより、優雅は一命を取り留めたという―。
「その時の姿はとても酷かった。あなたに意識はなく、ガリガリにやせ細り、躯には無数の痣。手首には鎖…。もう…死んでいたと思った。」
看護婦さんは涙を流しながら話していた。
高橋は捕まったらしい。
葵が言った。
優雅は葵の手を解き、身体を背けた。
「…もう…くるな…。俺に…近寄るな…。」
突然の言葉に葵は動揺した。
背向けられた背中が今すぐ消えてしまいそうだった。
葵は、消えてしまいそうな優雅を抱きしめた。
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