第二章「汚れ」

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乱れたシーツ。   投げ出された身体。   「汚い欲望」             高橋は白衣を整え、優雅のおでこにキスを落とした。   「仕事場に戻るよ。何かあったらすぐに僕を呼ぶんだよ??・・・愛してる。」   高橋は、そういうと優雅の病室を後にした。       「アイシテル。」     優雅は病室内にあるトイレに駆け込んだ。   「・・ぐぇッ・・。」   必ず「行為」が終わった後、優雅は吐いていた。   まるで自分の中の汚れた「もの」を吐き出すかのように・・・。   なんとか吐き気を落ち着かせ、洗面台で顔を洗った。   「・・・アイシテル・・。」   頭に響く、呪いの言葉。   何回言われた?   何人に言われた?   汚い・・・。   汚い・・・。   キタナイ・・・。
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