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「貴方はとても綺麗よ。女のあたしが羨むぐらいね。」
看護婦さんは、憎らしいと優雅のほっぺを軽く抓った。
「・・痛ッ。」
優雅はそんな看護婦さんをみて少し笑った。
優雅にとって、看護婦さんは唯一甘えられる存在だった。
会話はそれ以上無かったが優雅にとって穏やかな時間となった。
「そろそろ冷えてきたわ。病室に戻りましょうか。」
看護婦さんは、優雅の膝にかけてあった膝掛けを直し、病室に帰ろうとした。
その時、とても大きな声が静かな中庭に響いた。
「離してッ!!!!!」
何人もの看護婦に押さえつけられる少女がいた。
優雅はチラッとその少女の方を見たが、興味がなかった。
「看護婦さん。寒い。」
やがて少女はどこか遠くに連れて行かれ、優雅は病室へと車椅子を押してもらっていた。
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