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「あれがル・アスラール王国、ですか?」
リィナが尋ねた。
「ああ…。ちぃっとも変わらないな、ここからの景色も、何もかも…。」
アルオスのセリフには、あまり嬉しそうな感じはなかった。
岩山を降りきり、ル・アスラール王国の城下町の入り口に着いた四人。だが、ここにも門番がいた。ル・アスラール王国の兵士のようだ。
「お前達、通行証は持ってるか?」
兵士の1人が言った。
「通行証?ここに入るのには通行証がいるんですか?」
リィナが尋ねた。
「当然だ。身分を証明できなければ、門前払いさせて頂く。」
もう1人の兵士がかっこつけるように言った。
「…まったく、3年前には無かったぞ?セキルも教えてくれてもよかったんじゃねぇのかよ!」
アルオスの発言に兵士が過剰反応をした。
「な!?団長を呼び捨てとは、貴様何様のつもりだ!?」
かっこつけた兵士がいきりたった。
「何様、か…。だったらいいもの見せてやるよ…。通行証代わりにもなるんじゃないか?」
アルオスは冷静にいい放ち、懐から何かを取り出した。どうやら鎖状のもので、何かの紋章が入ったキーホルダーらしきものまでついている。
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