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「先輩、なんですかあれ?俺には何なのかさっぱり…。」
後輩兵士が尋ねようと顔を向けると、いきりたった兵士の口は、驚きであんぐり状態だった。開いた口が塞がらない、とはまさにこの事だ、と言わんばかりに…。
「解るやつには解るもんだな。断っておくが、見せびらかすために出したんじゃない。…俺達四人とも、ここを通させてもらってもよろしいかな?」
アルオスが静かに言うと、先輩兵士は、さっきの態度が嘘のようにささっと道を開けた。
「せ、先輩!いいんですか…!?」
「お前は黙ってろ!ど、ど、どうぞどうぞお通り下さい!!」
ロアス達も唖然としていた。アルオスがあまりにも簡単に(しかも大騒ぎになる前に)道を開けたからだ。
「ほらそこの三人、せっかく許可をもらったんだ。さっさと行くぞ。」
ロアス達はアルオスの後ろにくっついて城下町へと入っていった。
「先輩…、さっきのあれ、何っすか?」
「お前は知らんのか!?あれは、この国の騎士団の『団長』、『副団長』のどちらかしか持てぬと言われてる『騎士の誇紋』と呼ばれる代物で、国王から直々に与えられた『称号』みたいな物だ!!」
「え゙っ?じ、じゃあ先程の男は…!?」
「団長のセキル様や副団長のアレム様と同列の者で、我々の手の届かぬ存在、と言う訳だ…。」
冷や汗をかきまくりながら、先輩兵士は説明した。
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