一章 山あり谷あり

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「『国狩り』、と言えばわかりますか?」 アルオスが言った。 「わかるとも。私にとっては忌むべき存在だ。この国も狙われる対象となるのも想像出来よう?」 「…セキルが俺に少しの情報を与えた差し金は陛下ですよね?そう考えた俺はこうして別大陸からここに参ったわけですよ。ですから情報が欲しいんです。俺らも戦う意思があるもので。」 「ほう、察しが良いな…。よかろう、知っていることは何でも教えよう。アルオスに限らず、そこの3人も気軽に質問をするがよい。」 ロアス達三人にも気配りして言った。 「味方の戦況はあんまりよくないんですか?」 最初に尋ねたのはリィナだ。 「なぜかな?」 「兵力不足で味方を集めている感じがしたからです…。」 「…間違ってはいない。我々が人間であるからな。」 王が言葉を濁らせる。 「魔属が関わっている、ということかしら…。」 「簡単に答えるとそうなる…。」 イリファの呟きに王が答えた。 「敵の本拠地はどこです、陛下?」 「ここより南西の未開拓地の多い地方だとの情報がある。ただアルオスよ、お主の目的は…。」 ロアス達三人がアルオスを見る。顔が怒りで歪んでいる…。もちろん、ロアス達三人でも王に向けられた怒りではないのはすぐにわかったが。 「陛下、個人的事情も確かにあります。ですから、この戦いは不可避なものですね。俺達は俺達で動きますから。」 アルオスが言った。
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