一章 山あり谷あり

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「情報ありがとうございます、陛下。」 突然王にお辞儀して、クルッと方向転換し、アルオスは単独でどこかへ行ってしまった。 「アルオス!?」 ロアスが追い掛けようとしたが、アレムに止められた。 「放っといても大丈夫。前からの癖なのよ。城からは出ないはずだし。」 アレムが言った。もうロアスの見ていた方向にアルオスの姿はなかった。 「ところで、そこのお二人は人間ではないようだが…。」 「王様は、エルフやセア族のように、相手が人間ではない事に不都合でもお有りですか?」 イリファとリィナの事を言った王に対しロアスがすかさず言った。ロアスの憤慨気味の口調に、イリファもリィナも目を丸くして驚いていた。 「言い方が悪かった。そうではないのだよ、若き戦士よ。人間が多種族から嫌われているのは周知の事実。だが、こうして今ここに3つの種族がいる。良いことではないかな?」 王が穏やかに謝罪を含めて真剣に言った。 「今日はそなたたち四人ともここで晩を過ごすといい。アレムよ、四人が使える部屋に彼等の案内を頼む。」 「わかりました。」 王との会話を終え、アレムに案内され部屋に着いた。 「こ、こんな贅沢な部屋本当に使っていいの!?」 「いいのよ、イリファ。それじゃ、ごゆっくり。」 アレムが去っていった。案内された部屋は、掃除が行き届いているとても綺麗な部屋だった。
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