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「情報ありがとうございます、陛下。」
突然王にお辞儀して、クルッと方向転換し、アルオスは単独でどこかへ行ってしまった。
「アルオス!?」
ロアスが追い掛けようとしたが、アレムに止められた。
「放っといても大丈夫。前からの癖なのよ。城からは出ないはずだし。」
アレムが言った。もうロアスの見ていた方向にアルオスの姿はなかった。
「ところで、そこのお二人は人間ではないようだが…。」
「王様は、エルフやセア族のように、相手が人間ではない事に不都合でもお有りですか?」
イリファとリィナの事を言った王に対しロアスがすかさず言った。ロアスの憤慨気味の口調に、イリファもリィナも目を丸くして驚いていた。
「言い方が悪かった。そうではないのだよ、若き戦士よ。人間が多種族から嫌われているのは周知の事実。だが、こうして今ここに3つの種族がいる。良いことではないかな?」
王が穏やかに謝罪を含めて真剣に言った。
「今日はそなたたち四人ともここで晩を過ごすといい。アレムよ、四人が使える部屋に彼等の案内を頼む。」
「わかりました。」
王との会話を終え、アレムに案内され部屋に着いた。
「こ、こんな贅沢な部屋本当に使っていいの!?」
「いいのよ、イリファ。それじゃ、ごゆっくり。」
アレムが去っていった。案内された部屋は、掃除が行き届いているとても綺麗な部屋だった。
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