一章 山あり谷あり

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「やっぱりお城ってスゴイわよね~。フカフカなベッドまであるし♪」 イリファが嬉しそうに言った。 「そうだね。広いし綺麗だし、非のうちどころがないよね。」 途中までは普通な会話が続いていた。その途中までの流れを変えたのはリィナだった。 「ロアスさん、さっきなんで怒り気味だったんですか?」 「…ああ、さっきのことか…。いや、あまり気にしないでくれると嬉しいな…。」 言い終わったロアスの顔が険しくなったため、リィナはこれ以上追及はやめた。 「(この間の事件を引っ張ってるのかしら?)」 この間の事件とは、『国狩り』が関わったエルフ騒動の事である。イリファの考えた事がビンゴとは本人(イリファ)もリィナも知る由(ヨシ)もなかった。 流れが変わったせいで、気まずい空気が流れはじめてしまい、会話が途切れた。 途切れた後、最初に動いたのは…、 「ロアス!?」 ロアスは突然スクッと立ち上がり、溜め息をついて言った。 「ちょっと外の空気吸ってくるついでに、アルオス探してくるから。」 そう言い残し、ロアスは部屋を出ていった。 「さて…。部屋は…23番室、と。」 ロアスは部屋を覚えて歩き始めた。アルオスの微かな気配を辿りながら…。
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