44人が本棚に入れています
本棚に追加
「やっぱりお城ってスゴイわよね~。フカフカなベッドまであるし♪」
イリファが嬉しそうに言った。
「そうだね。広いし綺麗だし、非のうちどころがないよね。」
途中までは普通な会話が続いていた。その途中までの流れを変えたのはリィナだった。
「ロアスさん、さっきなんで怒り気味だったんですか?」
「…ああ、さっきのことか…。いや、あまり気にしないでくれると嬉しいな…。」
言い終わったロアスの顔が険しくなったため、リィナはこれ以上追及はやめた。
「(この間の事件を引っ張ってるのかしら?)」
この間の事件とは、『国狩り』が関わったエルフ騒動の事である。イリファの考えた事がビンゴとは本人(イリファ)もリィナも知る由(ヨシ)もなかった。
流れが変わったせいで、気まずい空気が流れはじめてしまい、会話が途切れた。
途切れた後、最初に動いたのは…、
「ロアス!?」
ロアスは突然スクッと立ち上がり、溜め息をついて言った。
「ちょっと外の空気吸ってくるついでに、アルオス探してくるから。」
そう言い残し、ロアスは部屋を出ていった。
「さて…。部屋は…23番室、と。」
ロアスは部屋を覚えて歩き始めた。アルオスの微かな気配を辿りながら…。
最初のコメントを投稿しよう!