一章 山あり谷あり

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イリファを説得してから2時間後、早速岩山の入り口に着いた。 「おし、登るぞ。」 「立て看板があるな…。」 蒼のロアスが読んでみる。その内容は、 『谷、崖への転落・落石要注意!道狭し!心して登ること!』 とある。 「やっぱり嫌よ!登りたくない!危ないし!!」 イリファが叫んだ。 「…多少大袈裟(オオゲサ)に書かれてるだけだ。現にこの岩山で数年修行して生き延びてる奴がいるからな。」 アルオスが静かに言った。 「それって誰の事ですか?もしかして…。」 リィナが尋ねた。 「さぁて、誰の事かな…。ほら、口だけ動かしても先には進まない。行くぞ。」 アルオスは嫌がってるイリファをよそに歩き出した。彼は来たことがあるらしく、恐怖心の欠片もない。リィナも、アルオスのあとを追い掛け始めた。 「ほらイリファ、行こう。俺達が置いていかれるぞ?船の中の元気な勢いはどこいったんだ?」 ロアスが催促したが、イリファは黙ったままだ。 「…仕方ないな。落石だろうとなんだろうと、何かあったら俺が必ず君を守る。…それでもダメか?」 ロアスが言った。イリファは黙って頷いた。 「(やれやれ…。ずいぶんと臭いセリフを言ったかな…。)」 ロアスは思った。
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