一章 山あり谷あり

7/17
前へ
/179ページ
次へ
「こんな時間に起きてるなんて、お前らしくないな。もう少し寝てたらどうだ?夜明けまで時間がある。」 「いや、やめとくよ。僕が出たのは、もう一人の僕を休ませるためだし。そろそろ精神的に参ったからって。」 「そうか。別に構わないが、お前は大丈夫なのか?いろんな意味で。」 アルオスが尋ねた。 「うん。当分僕が表に出るよ。」 ロアスが元気そうに答えた。 「なら今日中に目的地に着けるよう頑張ってもらわないとな。」 夜があけ、陽が登り始めるころ…。 「よし、行こうか。今日中に登りきらないといけないからな。」 「待ってよ…、まだ眠いわ…。」 「おはよう、イリファ。」 ロアスが声をかけると、イリファはびっくりして飛び起きた。 「え!?ロアスが早起き…?しかも…?」 目が覚めたようだ…。 「やぁ、久しぶり。」 ロアスは笑顔で言った。 「私も驚いたんですよ~。」 リィナも続けて言った。 「ほらほら、口を動かしてないで足を動かさないと。」 アルオスは口癖のように言った。
/179ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加